物語

聖書中の大洪水の物語 ノアの箱船伝説

聖書によると、ノアが600歳の時に神は洪水によって世界を滅ぼします。

まずは聖書の記述とギルガメッシュ叙事詩の洪水の記録を比較してみたいと思いますが、そもそもギルガメッシュ伝説の方が古く、バビロニアの異なる時代や地域から諸版の断片が出土しているので、

聖書は後付け?!では無いか?という意見があります。

箱舟を作り始める

聖書の記述 ノアはYHWHからの指示通りに方舟を作り始めます。

樹脂の多い木で箱舟を作るよう指示されます。

失楽園の後(以下をご覧ください)西暦前2370頃と算出しています。

https://shachi.blog/bible/genesis3/

一方、ギルガメッシュ叙事詩の方は、神様会議があってそこで人類を滅ぼす決定がなされます。決定は絶対で、変えることができません。しかし、その際に思慮深いエアだけが人類救済の手立てを備えます。それが箱船です。

葦屋よ、葦屋よ。壁よ、壁よ。葦屋よ、聞け。壁よ、悟れ。シュルッパクの人、ウバル・トゥトゥの息子よ、家を壊し、方舟を造れ。持物を放棄し、生命を求めよ。財産を厭い、命を生かせ。

箱船伝承は何が始まりかはわからない

・聖書の伝承をアブラハムに甦らせて聖書から諸伝承が広まった

・メソポタミアから、聖書を含め各地に伝搬して行った

・メソポタミアと聖書の伝承が個別

箱舟の詳細

聖書中の箱船

箱舟という言葉は直訳すると『大きな箱』『覆い』という意味になります。

さらに、箱の中に部屋を作りタールを塗り、採光窓や、入り口、など3階建ての建造物を作るよう指示されます。

長さ300キュビト、幅50キュビト、高さ30キュビトです。

1キュビトは約45センチなので300キュビトはやく135メートルとなります。現代の大型タンカーに匹敵する大きさで、30:5:3の比率は最も安定する設計比率だと言われています。

ギルガメッシュ叙事詩の洪水

シュメールの大洪水伝説

ウトナピシュティムという人を救済する

表面積は1イクー(60m×60m)、その4壁の高さは10ガル(60m)、その覆い板の幅はそれぞれ10ガル(60m)

箱船のサイズは、ノアの箱舟より相当大きい。

乗船した人間など

ノアの船に乗せるものは、あらゆる種類の生き物(つがい)家畜、食料です。

そしてノアの家族、ノアとノアの妻(名前の記載なし)ノアの息子、セム、ハム、ヤペテ、とそれぞれの妻の計8人となりました。

ギルガメッシュ叙事詩の洪水

乗船した人間など

ウトナピシュティム(永遠の命の意味)

箱船のサイズは、全長5スタディオン、幅2スタディオン
1スタディオン早く180メートルなので、全長900メートル、全幅360メートルというサイズになり、ノアの箱舟より相当大きい。

この巨大な箱は動物を125000匹は州酔いできる大きさで動物の種類は16000種類という概算がされており、方舟の4分の一ほどのスペースが動物たちに割り当てられたと考えられるそうです。

十分な余裕があったということができます。

洪水で陸が消える

聖書の記録を文字通りに読み解くと、ノアが600歳の時に大洪水が始まります。第二の月の17日 と書かれています。そして40日昼も夜も激しい雨が地上を襲います。

水が増え、船は地表より高い位置を漂います。ついには高い山々までも水で覆い尽くされます。水の高さが山々のおよそ7メートル上まで達したと書かれています。

鳥は何メートルまで高く飛べるのか?

ヒマラヤを超えるアネハヅルなどは8000メートルほど飛ぶそうですが、山頂からみたら数百メートルの高さになり、それ以上上がると成層圏になり、鳥類が飛べる場所はなくなります。

高度400km国際宇宙ステーション 408km熱圏
高度80kmオーロラ90kmから600Km
流星の発光高度 80kmから120km
中間圏
高度30kmオゾン層(10−50)電離層(50−500)成層圏
高度10kmエベレスト8849m
ジェット機8000mから10000m
対流圏
高度3km富士山3776m対流圏

生き物は全て生き絶えます。

その後、150日間水が地表にありましたが徐々に引き始め第七の月17日にアララト山地に船が止まります。

さらに水が引き続け第十の月の1日に山々の頂上が見えてきたと書かれています。

水はどこからきてどこに消えたのか

ご存知の通り、地表は70%が水で覆われています。乾いた陸地は30%で、氷河や極地の氷冠が全て解けたとすると、海水面は上昇します。

当時の気象条件はわからないのですが、極地の氷に関しては海に浮いていることを考えると溶けたところで海面上昇はないのではないだろうか?同様に川や湖も元々あるものであれば、さらに水量を増やすためには空気中とか別のどこかから水を持ってくる必要があります。

しかし、新ブリタニカ百科事典にはこのような記載があります。要約するとこうなります。

海洋全体の平均水深は推定3,790メートル

海面上に出ている陸地部分の平均標高は840メートル

各区分ごとの表面積に平均水深を掛けてゆくと,世界の海洋の全体積は,海面より上の陸地部分の全体積の11倍にもなる 

水が消えた場所はどこか

ブリタニカの記載を見るとなるほど、起こり得ない話でもないのか?と思います。

また、海底には山や、谷などの様々な地形が存在しています。地球の中心部のコア(核)までの距離は地表から平均2900kmです。人類がたどり着けない未到の海底は85%と言われています。

よく地球は半熟の卵に喩えられることがあります。いわばカラの上に住んでいるのが私たちで、白身の部分がマントル、キミの部分が中心核ということができます。カラの厚さ2900kmの卵の殻の上で私たちは生活していると言えるかもしれません。

ワタリガラスと鳩

ワタリガラス

創世記8章を読むと、ノアは、ワタリガラスを窓から放ちます。

ワタリガラスは水が乾くまで外に出て行っては戻ってきたと書かれていて、外で日中を過ごし、体を休めるために船に戻ってきたと理解できます。

ちなみに、上で出てきたエリヤに食料を運んだのは、神によって命じられたワタリガラスです。列王第一17:1−4

ワタリガラスはとても賢く順応性もあります。また、腐肉などどんな種類の食物でも食べて生きていけます。

最初に放つ生き物として最適だと言えるかもしれませんし、.他の意味があるのかもしれません。

続いて鳩を放ちます。

鳩も地表に足を休ませる場所を見つけられず戻ってきます。ノアは、鳩を船に戻し、7日後に再度鳩を放ちます。

夕方鳩が新しいオリーブの葉っぱ咥えて戻ってきます。

西洋絵画の世界でオリーブの葉は平和の象徴として描かれることが多くあります。

神と人との和解を意味するとも言われています。

それを見てノアは水が引いたことを理解します。さらに7日後、ノアはもう一度鳩を放ちます。鳩は戻ってきませんでした。

一方、ギルガメッシュ叙事詩

鳩は飛んでいったが、舞い戻ってきた。休み場所が見あたらずに、引き返して来たのだった。わたしは燕を連れ出し、放った。燕は飛んでいったが、舞い戻ってきた。休み場所が見あたらずに、引き返して来たのだった。わたしは烏を連れ出し、放った。

船を出る

箱船がアララト山で止まり、カラスと鳩を放ち、ノアが601歳になった第二の月の27日に神がノアに船を降りるように命じます。

ノアは、祭壇を作って捧げ物をしました。

神は心の中でこんなふうに言います。

創世記 8:21

わたしはもはや二度と人のゆえに地をのろわない。人が心に思い図ることは、幼い時から悪いからである。わたしは、このたびしたように、もう二度と、すべての生きたものを滅ぼさない。
地のある限り、種まきの時も、刈入れの時も、暑さ寒さも、夏冬も、昼も夜もやむことはないであろう

今後、洪水で人を滅ぼすことはしない、という意味でしょうか。人の心は生まれた時から悪いから、人が理由で起きてしまうよくないことのために人を滅ぼすことはない。という意味でしょうか。

また、地のある限りとは、地球が存在する限り種まきや刈り入れ暑さ、寒さといった一見普通のことに思えますが、アダムとエバの永遠の命&楽園という生活環境から見たら、人は自分のことばかりに精を出し、人生が虚しく進んでいくという意味に聞こえてしまうのは私だけでしょうか。

不思議なことに、聖書のこの記述の後からは寿命が少しづつ縮んで現代人のようになっていきます。

たった100年足らずの人生でいいわけが無いと思うのですが。お分かりいただけるでしょうか。

ギルガメッシュ叙事詩の記述

山頂で犠牲と供物を捧げると神々が集まってきます。洪水を引き起こしたエンリルは到着すると箱船をみて憤慨します。

大洪水を免れた人類がいたことに気が付いたからです。