伝承・伝説

子供の遊び『花いちもんめ』を深読みしてみる 

このサイトは古くから伝わる風習や、行事、童謡や昔話など、どこか不思議で不自然で不気味にさえ感じるような事柄を、色々な角度から紐解き、文献による資料を参考に、独自の見解で深読みしていこうというものです。

あくまで都市伝説、としてお楽しみいただけたら幸いです。

しかし、案外混沌としたこの時代、真実の答えは案外こんなところに転がっているのかもしれません。

子供の遊び、はないちもんめ 深読み

どことなく不思議な『はないちもんめ』

この歌にはどんな秘密が隠されているのでしょう

この記事を読むとこんなことがわかります

『はないちもんめ』の起源がわかります

『はないちもんめ』の起源と言われている二つの説

花の売り買い説

花=女性(子供、若い女性)売買説

そこから見えてくる真実 素直な子供の遊びの中にこそ、目を覆うような真実が隠されているのかもしれません。

はないちもんめ 深読み

皆さんははないちもんめの遊びをしたことがあるでしょうか?

二組に分かれて手を繋ぎ対面しながら、仲間のやりとりを繰り返す遊びです。

勝って嬉しい 花いちもんめ

負けて悔しい 花いちもんめ

隣のおばさんちょっときておくれ

鬼がこわくていかれない

おかまかぶってちょっときておくれ

それでもこわくていかれない

あの子が欲しい あの子じゃわからん

相談しましょう そうしましょう

ーーー相談ーーー

〇〇ちゃんがほしい

〇〇ちゃんがほしい

ーーージャンケンするーーー

※細かな歌詞は地方によって若干の差があります。

はないちもんめの古い記録

『はないちもんめ』の一番古い記録は昭和に入ってからです。江戸時代や明治、大正時代にはこの遊びを確認することができません。

昭和10年には京都地方で歌われていたという記述が最古なので、それ以前に歌われていた、ということは確かなようです。

その歌はこちらです

はないちもんめ

もんめ もんめ

はないちもんめ

○○さん もとめて はないちもんめ

勝ったら うれしい 負けたら くやしい はないちもんめ

『続日本童謡民謡曲集』

こちらの『はないちもんめ』は、今の『はないちもんめ』とよく似ていて、対面型で行われたようです。

しかし、仲間の入れ替えはじゃんけんではなく『ひっぱりっこ』だったそうです。

そして、同じくこの曲集で紹介されていたのは、静岡県沼津地方の縄跳び歌としての『はないちもんめ』です。

はないちもんめ

かってうれしいはないちもんめ

まけてくやしいしいはないちもんめ

こきょうまとめてはないちもんめ

こきょうまとめてはないちもんめ

〇〇さんとりたいはないちもんめ

○○さんとりたいはないちもんめ

『続日本童謡民謡曲集』

江戸時代の似たような遊び

上記のように、同時代に複数の歌が存在していたということはそれ以前に原型があったと考えられます。

このように、誰かをこちら側へ取る遊びは、『ことり(子取り遊び)』と呼ばれていました。

ことりことり

江戸時代の『ことろことろ(子取ろ)』というものがあります。これは鬼ごっこの原型とも言われているものです。

1人が鬼、1人が親となります。

他の者たちは親役の子供となって手前の人の腰をつかんで1列になります。

鬼は最後列の子供を捕まえる(タッチ)ことで鬼は今度は親となり、タッチされたものが鬼となります。

親は最後尾の子が鬼になるのを阻止するため両手を広げてガードします。

この遊びの中ではこんな問答が繰り広げられます。抜粋したものがこちらです。

鬼 子を捕ろ子捕ろ

一同 どの子をみつけた

鬼 ちょっとみりゃあの子

一同 さあ捕ってみしゃいな

鬼 魚や飯 家さ行って食いましょ二の膳三の膳 小机据えて

一同 それもよかろが どの子がほしい

鬼 〇〇さんが欲しい

『はないちもんめ』にとてもよく似ています。

歌われていた当時を鑑みる

子とろ遊びが行われていた江戸時代は、大きな子供も小さな子供も、おそらく一緒に遊んでいたことでしょう。

大きな子供がちいさな子供の世話をすることは当たり前だったでしょう。また、子供も家の手伝いをしたり、働きに出たりすることも当然のようにある時代です。

そんな中、このような遊びを皆んなんでするということは、とても楽しいひと時で、きっと夢中になって遊んだことでしょう。

『〇〇さんが欲しい』という言葉で、幼いながらも個人の優劣を感いる場だったかもしれません。

仲間同士のルール、地域の仲間意識なども培って成長したことでしょう。

当時は子供が長生きできない時代でもありました。さらに、子供が売られたりすることも数多くありました。

そんな子供時代を過ごし、無事に大人になった時には子供の頃の遊びを、暖かく、ほろ苦く、切ない、そんな思い出として後世に伝えたことでしょう。

遊びを通して、仲間意識が芽生えました

懐かしい気持ちで子供達に伝えていった

あの時一緒に遊んだ、〇〇ちゃんはある日遊びじゃなくて、本当に遠くへ行ってしまった。などということが実際に起こっていたのです。

巷で言われる二つの説

この歌の花の意味は大きく分けて二つあると言われています。

A.大人達が花を売り買いする様子を歌ったもの

B.花は『女』とする、売買の様子を描いている歌

A. 花の売り買い説

歌詞の中の花は、文字通りの花であるという説です。花の重さを図って売り買いする様を描いているとする説です。

いちもんめ

いちもんめは漢字で書くと一匁となります。

一匁とは3.75グラム そして、この一匁の単位が使われていたのは明治24年頃までです。その時代あたりの歌ではないかと思われます。

また、一匁は江戸時代には貨幣の単位として使われていました。

江戸時代の貨幣単位 匁

勝って嬉しいは、買って嬉しい

負けて悔しいは、値切られて悲しいという意味となります。

B.人身売買説

口減らし(家族の食べる人数を減らす)などのために、子供やお年寄りなど弱い立場の人間を、里子に出したり、売ってお金に変えたりあるいは、山の中に置いてきたりなどということが実際にあったそうです。

花は女の子という意味に使われることが度々あります。

一匁は江戸時代には貨幣単位でしたから、花に例えられた女なの子を一匁で買うという意味になります。

実際に昔の日本では花を買うような値段で、困窮した家系を救うために売られていた時代がありました。

鬼が怖くて逃げられない、という歌詞から、監視の目があって逃げられないとも受け取ることができます。

https://shachi.blog/legend/yubikiri/

現代の私たち

はないちもんめに限らず、子供の遊びは地域で暮らす子供達に仲間意識や、地域に対する愛着、さらには個人の優劣のようなほろ苦い感情まで教えてくれるものです。

当時は、テレビゲームなどはありませんから、仲間が集まって遊ぶ遊びは子供たちにとってはこの上ない、最高に楽しい遊びだったはずです。

最高に楽しい時間の思い出の中に、悲しい現実がミックスされて伝承された歌が『はないちもんめ』なのだと思います。

最近の事情

『はないちもんめ』の遊び方が、仲間のやり取りで、結局は人気のある子ばかりが選ばれたり、いつも最後に残ってしまう子が決まっていたりして、この遊びがあまり好きではない人も多いかもしれません。

しかも、今は大きな声を出して遊べない、体に触れる、手を繋ぐ遊びなどもってのほかかもしれません。

1日も早く子供達が他愛のない遊びを通して様々なことを学べる日常が戻りますように。そんな願いを込めて今回の記事は書いてみました。