伝承・伝説

人類に知恵を授けた?!クババについて

都市伝説付きの皆さんはすでにご存知だと思われますが、『アヌンナキ』が人という入れ物『筐体』を作り、その『筐体』に知恵を授けた存在として、『クババ』という名前が挙げられています。

クババとは

クババとは、一般的には古代メソポタミア、キシュ第三王朝の女王、ク・バウ(Ku -Bau)のことだとされています。

キシュ第三王朝というのは、古代メソポタミアの都市『キシュ』のことで、発掘されて遺跡から、その他のシュメールの都市と同様に非常に発展し、高度な文明を持った都市国家であったことがわかっています。

キシュに人が住み始めたのは、紀元前6000年頃のようですが、歴史上にその名が登場したのは紀元前3000年頃となります。有名な大洪水の後、最初に王権が降りたとされた都市が『キシュ』で、その第三王朝(紀元前2500年頃)の女王がクババでした。

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この女王クババが、人なのか?それとも神話の世界の女神なのかは想像するしかありませんが、『キシュの王』であるということは、現代の私たちが考える王とは若干意味合いが違って、『世界そのもの』『世界』を表しています。

女王ク・バウ

ク・バウは娼婦だったようです。その名前には『葡萄酒の女主人』とか、『酌婦(酒の酌をする女性)』という意味があります。

ク・バウの噂はシュメール全土に知れ渡り、現在のトルコとシリアの国境線上の古代都市カルケミシュでは、『クババ』という都市神として祀られていました。

その姿は、右手に鏡 左手にはザクロを持っっており、威厳のある姿で描かれています。鏡の意味は『運命』ざくろの意味は『豊穣』です。

シュメールの神話によると、豊穣の女神は『イナンナ』という女神です。イナンナは神殿娼婦でもありました。

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キュベレー

『クババ』は後に古代アナトリア半島のプルギュア王国に伝わり『キュベレー』となります。豊穣多産の神、『大地母神キュベレー』と呼ばれています。

キュベレーの名前の意味は『知識の保護者』です。紀元前5世紀後半にはアッィカ(古代ギリシャ)に伝わり神々の母で、大地の女神『レア』と同一視されます。

やがて、第二次ポエニ戦争(紀元前149-146)の時、ローマの元老院が『神託』により『キュベレー』を迎えることを決議します。

その際、キュベレーの象徴となったのが『黒い聖石』です。黒い聖石はパラティーヌス丘上の神殿に祀られます。

息子アッティスの逸話

キュベレーは都市の信仰対象となり、その信奉者は自ら聖なる儀式で完全去勢した男性で、儀式の後は女性としてみなされました。その崇拝方法は狂信的すぎて後にキュベレー信仰は禁止されました。

それは、祭司や信徒が叫びながら狂い歩き、器具や刃物で自らを傷つけ流血しながら狂いまわるというものだったそうです。

その、狂信的な信仰の元となったギリシャ神話の逸話はこちらです。

※詳細な点で違う逸話は多く存在していますが、大まかには似ています。

ゼウス神が熟睡中に射精し、精液が大地である山の女神アグドスの上に落ち、アグディスティスが生まれます。

このアグディスティスが後のキュベレーとなります。アグディスティスは両性具有でしたが神々によって男根を切り落とされ女性にされます。

切り落とした男根は土に埋められましたがそこから、一本のアマンドの木が生え、花を咲かせやがて実をつけます。

そんな時に、河神の娘ナナがアマンド(アーモンドもしくはザクロ)の実を摘んで懐にしまうとナナは身篭り子供を産みます。しかし、ナナはその子を山に捨ててしまい、その子は山羊に育てられます。

その子はアッティスという非常に美しい少年となり、アグディスティスは彼を愛するようになります。アッティスもアグディスティスを受け入れ、二人は愛を誓い合うのでした。

アーモンド、ザクロは共に、女性器の象徴と言われています

両性具有のアグディスティスの男根から生まれた木の実によって懐妊したナナの子供がアッティス

アッティスにとってアグディスティスは母であり、父でもあると言えます

しかし、アッティスが大人になるとその美しさから彼の元に多くの女神が集まるようになり、やがてニンフのサガリーティス(木の精霊)を愛するようになります。

アグディスティスは嫉妬からサガリーティスの木を切り倒し殺害します。

サガリーティスが殺されたことを知ったアッティスは正気を失い、刃物で自分を傷つけるようになり、狂い歩き、エクスタシーのさなか

男根を自らもぎ取って自死します。

処女懐胎

上記の神話の中で、アッティスが生まれるきっかけとなったのは、ナナの処女懐胎です。処女懐胎といって一番先に思い起こされるのは、処女マリアの懐胎ではないでしょうか。

実際に、キュベレー神殿があった場所には聖母マリアの教会が建てられていることにも何か意味があるような気がしてなりません。

アッティス復活

愛する者を奪われ、キュベレーからの求愛に苦しんだアッティスは自ら性器をもぎ取って死んでしまったわけですが、その後キュベレーによって再度命を吹き込まれます。

アッティスは死んで埋葬され冥界へ降りますが、三日後に生き返ります。

アッティスは人類救済のための生贄となり、その体はパンとして崇拝者たちが食べたという逸話もあるようです。

キュベレー信仰において、アッティスは人類を救済するための贖いの犠牲でした。アッティスは生命界の創造者であり、去勢することで自らの欲望と物質主義から離れたと、考えられました。

アッティスは松の木で例えられることもあり、それは永遠の命とか永続性を表していますが、最後はその松の木に十字架刑に処されアッティスの体から流された血が地上の罪の贖いとなりました。

キリストの復活との類似

・処女懐胎で出生 
・人類の贖いの犠牲となって3日後に復活
・アッティスが生まれたのは12月25日 

イエスキリストの誕生日は12月25日ではなく4月のニサン14日であることがわかっていますが、当初12月25日はキリストの誕生日だとされていました。

※キリスト教の神学者はマリアとキュベレーを混同することを戒めています。

ザクロ→りんご

ク・バウはザクロを持っていましたが、キュベレーはりんごを持っていて、それは知恵を表すとされています。りんごを横に切った時の中心が五芒星となり、その形は人間の手足を伸ばした形とも似ているため、知恵の象徴だとされているようです。

りんごといえば、アダムとエバの禁断の果実を思い浮かべる方も多いかと思いますが、旧約聖書中にそれがりんごだったという言葉は一つも書かれていません。

しかし、イナンナから派生したと言われているアフロディーテに捧げられた果実はりんごです。童話の中でも魔女がりんごを用いて自らの欲求を遂げようとする場面は数多くあり、兎角恋愛に関する魔術に関してりんごは多く使われています。

五芒星

五芒星のルーツは実は古代シュメールに遡ります。高尚なものや輝くものを意味しており、王を記述する際に用いられた表意文字として使われていました。

また、五芒星はシリウスを象徴しているとも言われています。

※角の点が線でつながっているものが五芒星(Pentagram)、輪郭だけを五角星(Five pointed star)と言います。

陰陽道の『五芒星』ペンタグラム

五芒星の一筆書き

頂点  → シリウスA 「アルメーラ」
左下点 → シリウスB 「ディジターリア」
右点  → シリウスC 「エンメー・ヤ」
左点  → シリウスD 「ニャン・トーロー」
右下点 → シリウスE 「ミネラーヴァ」

しかし、シリウスは5つの星が連なっていると確認されてわけではなく、小惑星を加えると8個になると言われていて、真相は未だわからないのです。

キュベレーの別称†

キュベレーの別称は† Kubaba、 Kuba、 Kube

すでに上記しましたが、キュベレーは黒い聖なる石と関係しており、現在はメッカにあるカーパ(Ka’aba)の石であるとされていて、太女神のシンボルがついているそうです。

この石は楕円型の30センチほどの黒い石で、19世紀に調査した際に隕石であるとされていましたが、20世紀の調査では地球上のものであるとされていますが、事実は不明です。

そして、その石はカアバ神殿の中に収められています。カアバ神殿は『キスワ』という黒い布で覆われており、一説では『神は偶像で表せない』ためこのようになっていると言われています。

この黒い石は、アダムとエバの時代に天から落とされたとされていて、黒くなった理由は人々がその意思を崇拝対象として、口づけしたり涙を流したりしたためとか、人々の業を吸い取ったために黒くなってしまった。と言われています。

石を崇拝したり、崇拝する場所に石を置いたりすることは、旧約聖書中にもたびたび登場します。ですから、石を崇拝に用いることは目面しいことではなかったようです。

実際近隣には赤い石を崇拝したり、白い意思を崇拝したり、形状の不思議な樹木を崇拝するということもあるようです。

そう考えると、隕石かもしれないその黒い石がキュベレーと結びつき崇拝対象となっても何ら不思議でもないようにも思います。

※unicodeはカアバ神殿と打ち込むと、🕋が出てきます

太女神

三相、三柱、三位という概念を表しています。

この三相一体の概念は三つの面を持つという意味で、例えば、若い娘と出産する女と老婆の三つの面を持った女神のことを『太女神』と呼びました。

立方体が特別な理由

聖書の中にも立方体はたびたび登場します。終末の新天地における最終的な神の臨在する新エルサレムは、完璧な立方体です。

さらに、エルサレムの神殿のかつての至聖所が立方体です。ソロモンの神殿の至聖所も立方体です。そこは神が常に留まる場所でした。

ノアの箱舟も立方体ですから、方舟と書くのが正しいでしょう。

ギルガメッシュ叙事詩に出てくる船も立方体です。

英語のCubeはKubaから派生した言葉と言われています。

冒頭あたりで、元々豊穣の女神は『イナンナ』という酌婦だったと書きましたが、クババ、キュベレーはそのイナンナが起源だとする説もあります。

イナンナはニン・アンナ『天の女主人』という意味です。生命を誕生させる女性の守護神で大地母神です。紀元前4000年頃のウルク文化期に守護神として崇拝対象でした。ですから、ク・バウがイナンナを投影した存在であったことはあり得ないことではないでしょう。

ク・バウはシュメール王名表に名を挙げられている王妃ですが、現実に存在していたと仮定して、その上で後に神格化され崇拝対象になった際にイナンナと同一視されたと考えるのが現実的かもしれません。

両者とも大地母神であり、豊穣や美の女神でありながら、戦いや知恵を司る都市の守り神的存在であること、そして獅子を従えている点が挙げられます。

ちなみに立方体を展開すると、十字になります。

キュベレー神話にみる、聖書との類似、遡って、シュメール伝承と旧約聖書の類似、合わせ考えると、そもそもの宗教の始まりの奥義と言っても過言ではなさそうな三相一体、三位一体、を象徴的に表しているかのようです。

人類に知恵を与えた存在

シュメールの神話では、人を形作った神と人に知恵を授けた神は別の存在です。

人を作った目的が人が人として人生を楽しむことではなく、神のための労働をすることでした。

ですから、人にとってある意味知恵は不要のものだったということです。

しかし、人々と親しくする神々が現れて人に知識をあたえたり、危機から救ったりする神が現れます。

全く別のものとして、エノク書という外伝には、見目麗しい地上の女性に欲情した、天の御使たちが地上に降りて、天使と人の子供たちを生み出し、知恵を授けたことが書かれています。

いずれにせよ、現代の我々人類社会は高度な文明を持っていますが、同時にさまざまな知恵は人類堕落への罠にもなりえる側面をも持っています。

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